株式会社ネクスト様は、ピザ・ベーカリー・チョコレート分野をメインにフードサービス機器の開発・製造・輸入販売を行う企業です。ピザやベーカリー用オーブンや成型機を主力として、外食店やスーパーマーケットのインストアベーカリーを中心に多くの取引先を抱えています。
同社は2014年からFABEXに出展されています。今回は「FABEX東京」現地での出展の様子をはじめ、FABEXの活用ポイントや成果を上げた秘訣を伺いました。
お話を伺った方: 株式会社ネクスト 大阪支店 三好 菜々子 様
| 会社名 | 株式会社ネクスト |
| 事業内容 | フードサービス機器の開発・製造・輸入販売 |
| 本社 | 埼玉県 |
| 出展時のターゲット | 外食業界、中食業界(店内調理のスーパーマーケット) |
FABEXには当社の主なターゲットである外食・中食業界のお客様が多く来場されることが、出展を続けている大きな理由です。
加えて、食に関する幅広いジャンルの来場者と出会えるのも、大きな魅力です。
個人店から大企業まで、来場者の業態や規模が多岐にわたる点は、他の専門性の高い(業種を絞っている)展示会にはないFABEXならではの特長だと感じています。
主な目的は、外食店やスーパーマーケットなど量販店のお客様との接点創出です。営業活動の一環として位置付けています。
また、展示会は既存のお客様とコミュニケーションを取る機会でもあります。BtoBビジネスではお客様とお会いできる機会が多くないなか、FABEXは既存のお客様に新商品をご紹介したり、お困りごとを伺ったりできる絶好のチャンスです。お客様自身も出展されていることがあるため、先方のブースにご挨拶に伺うこともあります。
私は普段広報まわりの業務を担っているのですが、その一環で展示会出展に関するマネジメントを担当しています。スケジュールや進捗状況の管理や声かけをしつつ、準備自体は東京・大阪にいる社員5名ほどで分担して進めました。
4月の「FABEX東京」に向けて準備が動き出すのは12月頃です。年内には施工会社様にレイアウト案作成の依頼をしていました。ブース内のレイアウトや掲示物の用意など、準備のピークを迎えるのは展示会本番の1ヵ月前頃からです。
既存のお客様には、事前にメール配信で出展告知もしました。展示会によって実演をする機種を変えるため、「どんな機種が見られるのか」という情報を意識して発信しています。営業担当者によっては、日本食糧新聞社が用意してくださる紙の招待状も活用しました。
「トータルサポートサービス」は、準備を効率的に進められるところが魅力です。一般的にブースのデザイン決定までに労力がかかるケースも多いと思いますが、当社は毎年「トータルサポートサービス」を継続して利用しているので、「去年の反省を活かしたレイアウトにしてほしい」といったお願いができて助かっています。
書類手続きの代行やスケジュール管理のサポートもあります。外せない重要な締切を教えていただけたので、計画を立てやすかったですね。
準備期間中の相談ごとはもちろん、出展当日もサポートいただきました。装飾の微調整や足りないものの追加など、臨機応変に対応してくださるので頼りにしています。
そして、出展位置の優遇を受けられるのも大きなメリットです。可能な限り希望に沿った位置に調整していただけるため、基本的に人通りの多い通路に面した位置にブースを構えることができました。
ブースの施工費用は細かく検討しました。毎回ゼロから制作していただく場合の見積りと、装飾を保管して再利用する場合の見積りを比較。当社の出展頻度や小間数なら、毎回ゼロから作るほうがコストを抑えられることがわかったため、例年デザインから発注するようにしています。
大型機材ということでお客様は絞られますが、それでも毎回多くの名刺交換ができます。出展から1ヵ月ほどで20件以上の商談につながることもありますし、時間が経ってからお問い合わせをいただくケースも多々あります。
FABEXの出展情報に「ピザオーブン、ピザ成型機」と表示していたこともあり、ピザ用オーブンに興味があってご来場いただく方もいました。お店の新メニューを検討中のお客様も多い印象です。
また、他の企業様との出会いの場としても活用しています。関連性のありそうな企業様のブースに営業担当者が声を掛けて、意見交換をすることもありますね。
普段社内でも埼玉と大阪に分かれているため、展示会で担当者が集まることで情報交換やコミュニケーションの活性化につながっていると実感しています。
大通りに面していたこともあり、ピザの実演調理と試食は非常に高い集客効果がありました。まずは興味を持っていただいて、そこからピザ用オーブンや成型機の紹介につなげます。実際に目の前で調理をすることで、簡単かつおいしく焼けることを実感いただけるようです。
実演をする機器以外も、できるだけ実機を展示するようにしています。実際に見て・触れていただける貴重な機会だと捉えています。
当社は埼玉と大阪に、実機を使った調理を体験いただけるテストキッチンを設けています。テストキッチンにいらっしゃるお客様のなかでも、展示会をきっかけにご来場いただいたお客様の成約率は高い傾向にあります。展示会の場で実機を見て、味を知っていただいていることで、検討フェーズに進みやすくなるのではないでしょうか。
当日は、営業担当者をメインに6名程度で運営をしました。埼玉本社と大阪支店どちらの担当者も参加しています。ほかに、実演調理をするピザ職人を1名お招きしました。
ブースは4〜6小間で出展することが多いです。少しずつ条件を変えて出展しながら、効果の高い出展方法を模索しています。
展示会出展の効果は、1回出ただけでは測りにくいと考えています。実際に、3回の展示会での接触を経てご成約に至ったケースもありました。
特に当社のような機械系の企業は単価が大きいこともあり、費用の回収期間という観点も重要です。継続して出展することで、定量的な効果はもちろん、お客様との関係性構築など定性的な部分も効果測定を続けていきたいです。
目先の成果だけを追い求めるのではなく、「まずは出展してみる」というスタンスで、ノウハウを蓄積していくのが良いのではないかと考えています。
当社も新たな試みとして、東名阪すべてのFABEXに出展した年もありました。いずれも重要な市場ですが、エリアごとに規模感や独自の文化があるため、今後も地域の特徴に沿った出展内容を追求していきたいです。一緒にFABEXを盛り上げていきましょう。