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出展事例01 伊那食品工業株式会社


伊那食品工業株式会社様は、業務用・家庭用の寒天製品の製造・販売を中心に事業を展開する食品メーカーです。外食・中食業界や製菓業界などで多くのシェアを獲得しています。
同社は1999年の第2回開催からFABEXに出展されています。今回は「FABEX東京」現地での出展の様子をはじめ、FABEXご活用のポイントや成果を上げた秘訣を伺いました。

お話を伺った方:伊那食品工業株式会社 営業本部 営業推進部 海外グループ 加藤 雄次 様

 

お客様プロフィール

 
会社名 伊那食品工業株式会社
事業内容 業務用・家庭用 伊那寒天などの製造・販売
本社 長野県
出展時のターゲット 外食・中食業界、製菓業界、海外


 

FABEXは外食業界の新規顧客獲得の場

―FABEXへの出展を継続いただいている理由をお聞かせください。

年に3回は食品関連の大型展示会に出展するようにしているのですが、特にFABEXは外食業界のお客様が多くご来場されるため、毎年出展しています。さまざまな分野の事業を展開するなかで、FABEXは外食業界向け商品の情報提供や新規のお客様獲得の場という位置付けです。

4月という開催時期も、春に出る新商品のお披露目の場に最適です。主力の寒天を使用したゼリーやプリンは、夏が1番の売りどきです。夏に向けて商品を採用していただくのには、4月はベストなタイミングといえます。

―「FABEX東京」出展の目的を教えてください。

主な目的は、外食産業のお客様との接点創出です。特に外食産業は入れ替わりが激しく、新しいお客様がどんどん増えていきます。通常の営業活動だけではつながることができないお客様と、新たに接点を作れるというのは魅力ですね。


また、商品の味を知っていただくことも意識しています。FABEXは大々的に試食を提供することができるので、商品の味と当社の存在をその場で知ってもらえるチャンスです。問屋さんを通した普段の営業やカタログでの訴求と比較して、採用いただくまでの期間を短縮化できると感じています。

実は「継続して出ること」自体も目的の一つです。「FABEXに行けば伊那食品工業のブースがある」と来場者に印象づけるというねらいもあります。

出展準備のノウハウを社内で共有し、効率化を図る

―出展に向けて、どのような準備をされましたか?

4月の「FABEX東京」に向けて、前年の年末から準備をスタートします。当社の場合、準備には3〜4ヵ月は必要ですね。
特に施工会社さんとの打ち合わせは早めに取り掛かります。展示会のコンセプトやPR方法をお伝えして、ブースのデザイン企画から当日の施工までをご依頼しています。

展示会準備は、長野本社にいる私が全体の管理をしつつ、本社の営業推進や東京支店の営業メンバーと一緒に進めました。全員が通常業務を持ちつつ対応しているので、余裕のあるスケジュール設定や業務の分散が重要です。

既存のお客様への告知は、各営業担当者が対応します。日本食糧新聞社が用意してくださる紙の招待状かメールの案内文のいずれかを、お客様にあわせて送付しています。

―準備段階での工夫を教えてください。

当日ブースで使用するポスターやパネルの制作は社内で対応しています。できるだけ複数の展示会で使いまわせる内容を意識して、都度制作する手間やコストを削減しています。
 


準備の効率化も心がけています。以前は開催場所にあわせて各エリアの支社が担当していたのですが、今後は全体を把握しやすい本社から私も一緒に準備を進めることで、展示会運営のノウハウを社内で共有していきたいです。

コロナの収束で、外食業界の熱量の高さを実感

―「FABEX東京」に出展して、どのような成果がありましたか?

ターゲットとしていた外食産業のお客様はもちろん、さまざまな分野のお客様にご来場いただきました。
新商品の試食提供は、前年を上回る約1,500食を達成。今年は天気もよく、会場の室温も高かったので冷たい杏仁豆腐やプリンの試食が目に留まりやすかったのかもしれません。想定より試食数が伸びたので、1日目の夜に材料や備品を追加して対応しました。

来場者数自体は例年と大きく変わりませんが、コロナが収束したことで、特に外食業界では熱量が高いお客様が増えている印象です。

海外のお客様の来場も、ここ数年で増えている実感があります。特に中国・台湾・韓国などアジア圏のお客様が多いですね。私が普段海外の対応をしていることもあり、名刺やメッセンジャーアプリの連絡先交換をしています。まずはお話を伺ってみて、条件が合えば商談を進めていきたいです。

―効果を感じた出展当日の取り組みを教えてください。

人通りが多いブース前面で調理の実演と試食配布が、集客につながりました。できるだけ多くの方に足を止めていただいて、そのなかで興味を持っていただいたお客様には、ブースの奥の展示も見ていただけるような導線を意識しています。


商品の使用方法をイメージしやすい展示づくりにもこだわりました。具体的には、商品を使用したドリンクメニューを展示するなど「お店のメニューで使えそう」と感じていただけるように工夫しています。

―海外のお客様を意識した取り組みはありますか?

特段海外のお客様に特化した取り組みはしていません。とはいえ、試食は海外の方の反応も良好でした。たとえば「冷凍できる杏仁豆腐の素」「冷凍できるプリンの素」のような商品は、海外にはほぼないため試食提供すると目新しさがあるようで、実際に食べていただいて、味にも納得いただけたと思います。


海外のお客様は食品業界だけでなく、「何か目新しいものを探しに来た」という商社の方も多い印象です。商品が目に留まって、海外顧客との商談に進展するチャンスは大いにあると思いますね。

なお、過去に出展したFABEX関西では、大阪万博が控えていたこともあり外食店のインバウンド需要を意識した商品選定をしたことがあります。抹茶を使ったわらび餅や、寒天を使った冷やしお好み焼き・たこ焼きなど、日本らしさやご当地感を意識しました。

―当日の運営状況や工夫を教えてください。

ブースが6小間と広いこともあり、毎日20名前後の営業担当者でシフトを組みながら運営していました。


特に賑わう試食コーナーでは、1商品につき常時2名を配置して調理・試食提供・商品説明を実施。手袋をしていて名刺交換ができないので、補助の営業担当者がフォローする体制をとるなど、試食コーナーには手厚く人員を配置していました。

また、展示会は社内の営業担当者同士の情報交換の場としても機能しています。各地に営業所がありますが一同に会する機会は多くないので、展示会ではできるだけ各地から1名は来てもらうように呼びかけています。
お客様も全国からいらっしゃるため、各地域の担当者がいることでスムーズに対応できるところもメリットです。

FABEXは商品の味を知っていただく場。既存顧客との接点強化も

―今後、FABEXをどのように活用していきたいですか?

今後も、お客様に商品の味を知ってもらう場にしたいと考えています。特に新商品が出たタイミングは積極的に活用していきたいです。

また、今後は既存のお客様との接点を強化する場としても活用していきます。例えば、展示会期間中にお客様にアポイントをとってブースにお越しいただく。意思決定できるような役員や技術的なことがわかる研究員同席のうえで商談をすれば、より効率的に進められるはずです。ブースならその場で試食していただくこともできるので、営業が1件1件訪問するより効果的だと考えています。
将来的にはブース内にゆっくりお客様と商談できるスペースを設けて、実現させたいです。

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