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出展事例02フィリピン総領事館


フィリピン共和国大使館・総領事館は「FABEX関西2025 大阪グローバルフードショー」にて、フィリピンの主要輸出品であるココナッツ製品をテーマにしたナショナルパビリオンを展開しました。

2019年以来となる今回の出展では、史上最大規模のフィリピン企業25社が集結。開催まで実質2ヵ月という短い準備期間でありながら、パビリオン全体で333万ドル相当の商取引という大きな成果を上げています。
今回は、大規模パビリオン出展の裏側にあった短期間での準備の工夫や、出展企業が実際に得た商談成果、市場での発見について詳しくお話を伺いました。重要な点は、フィリピンが、日本をはじめとしたグローバル市場に対して、ココナッツ産業において信頼できるパートナーであり続けることを発信できるかという点でした。

今回は「FABEX関西」へのご出展について、少人数体制での効率的な運営の工夫や来場者への企画提案、他の出展社とのコラボ企画など、展示会によって得られた成果について詳しくお話を伺いました。

お話を伺った方: 在大阪フィリピン総領事館 貿易投資部 貿易投資担当官 寺地 慶悟様
フィリピン貿易産業省(DTI) 輸出マーケティング局(EMB)輸出産業スペシャリスト AG Caybot
Einar’s Natural Food Export アシスタント・マーケティングマネジャー Jon Sobrevega様

お客様プロフィール

会社名 Einar’s Natural Food Export
事業内容 有機・自然食品およびウェルネス製品の製造・輸出
本社 フィリピン
出展時のターゲット 輸入業者・流通業者・小売・レストラン・専門店


 

史上最大規模となる25社が出展。ココナッツ製品を日本市場へ大々的にアピール

―FABEX関西へ出展する狙いや背景をお聞かせください。

寺地様:在大阪フィリピン総領事館 貿易投資部は、西日本地域における日本とフィリピンのビジネス促進を担う政府の出先機関です。
FABEX関西は、西日本最大級の食品飲料展示会です。日本でのビジネス展開を考えるフィリピン企業にとって、対面で日本企業と交流・商談ができる絶好のチャンス。そのため、当部から毎年フィリピン本国へ「FABEXに参加しませんか?」と提案し続けてきました。

AG様:日本のココナッツ市場は、健康的で自然志向の商品を求める消費者の増加に伴い、急速に拡大しています。高品質なココナッツとココナッツ栽培に関する専門性で高い評価を受けているフィリピンは、日本の食品加工会社や飲料メーカーと長期的なパートナーシップを構築する大きな可能性を有しています。こうしたことから、2019年以来の出展を決めました。今回は、フィリピンの主要輸出品であるココナッツの産業振興のために定められたココナッツ農家・産業開発計画(CFIDP)のプログラムを活用できた点が大きかったです。この予算を用いて、フィリピンのココナッツ製品を日本市場へ大々的にアピールしたいと考えました。

―フィリピン出展企業側としては、FABEXへの参加をどのように捉えていましたか?

Jon様:Einar’s Natural Food Exportは従業員16名の中小企業です。今回の出展は、日本市場における自社ブランドの「認知拡大」を目的として参加しました。

ターゲットである輸入業者や流通業者、小売店、そして専門店に対して、我々の商品を直接アピールしたい。対面で日本のバイヤーと交流できるFABEX関西は、まさにその目的に合致する最適なプラットフォームでした。

「トータルサポート」を活用し、行政特有の“入札”プロセスをカット。窓口の一本化で「シンプルな連携」を実現

―出展に向けて、どのような準備や工夫をされましたか?

AG様:予算確保のための行政手続きなどに時間がかかり、プロジェクトを進めることが正式に決定したのは9月頃。11月の開催まで、準備期間は実質2ヵ月しか残されていない状況で、私たちと在大阪フィリピン総領事館貿易投資部との、より緊密な連携が求められる場面でした。

寺地様:そこで助けられたのが、FABEX事務局が提供する「トータルサポート」です。通常、政府の規定で予算を使用する際は、複数の業者を探して相見積もりを取り、入札などの手続きを経る必要があります。FABEX事務局が指定業者を手配してくれる「トータルサポート」なら、自分たちで業者を探して選定するプロセスそのものを省けます。

結果として、入札にかかる膨大な事務作業や調整業務をカットでき、準備工数を大幅に削減できました。もし自分たちでゼロから業者を探していたら、2ヵ月での実現は不可能だったと思います。

―「トータルサポート」を利用して、他にどのようなメリットがありましたか?

AG様:FABEX事務局と連携している施工業者が「英語対応可能」であった点も非常に助かりました。本来なら、日本にいる寺地が間に入って通訳をしなければなりません。ですが、今回は輸出マーケティング局(EMB)と施工業者が直接、英語でブースデザインの詳細を詰めることができました。
ココナッツ製品のプロモーションにはブランディングが不可欠です。我々の要望やコンセプトを細部まで業者に伝えることができ、「Coconut Philippines」という統一ブランドのビジョンを見事に具現化していただきました。

Jon様:ブースは規模の大きさだけでなく、インテリアや装飾品も商品をプロモーションしやすい配置になっていました。我々フィリピンの強みである「ホスピタリティ(おもてなし)」が活かされているデザインにしていただき、大変満足しています。

寺地様:準備期間が短いなかでも、親身に対応していただいたFABEX事務局の皆様と、最大規模のブースデザインを手掛けていただいた施工業者の方々には、この場を借りて改めて御礼を申し上げたいです。

―出展を迎えるにあたり、機関として事前のサポートはどのように行いましたか?

寺地様:出展企業に最大限の結果を生み出してもらうため、我々機関側でも事前の情報提供を徹底しました。具体的には、日本の食文化や、ココナッツ商品・オーガニック市場などのマーケット情報、そして日本特有のビジネス慣習などを事前情報として各企業に共有しました。

商品説明資料の準備を入念に行うことで、日本企業とのコミュニケーションを円滑に行うための土台がつくれたと思います。

FABEXでの出会いが現地商談へ発展。お客様との対話から市場の“ギャップ”を発見

―FABEX関西に出展して、どのような成果がありましたか?

Jon様:出展期間中に13社の来場者様と詳しくお話しする機会があり、そのうち3〜4社と商談に進んでいます。

また、会場で出会った大阪の企業様にフィリピンの当社事務所まで来社いただき、直接商談を行うことが決まりました。現在、新商品のプロトタイプを提案し、ホワイトラベル(相手先ブランドでの展開)に向けて具体的な話が進んでいます。現状はまだ1社ですが、確実な商談に持ち込めたことは大きな成果です。

―来場者とのやり取りで、印象に残っているエピソードはありますか?

Jon様:洋菓子店のお客様が当社の「ココナッツフラワー」が配合されたクッキーを試食した際、「ココナッツの風味が広がって良い」という感想をいただきました。
我々が事前リサーチした結果、日本市場にはすでにインドネシア産のココナッツフラワーが広がっていることが確認されていたんです。しかし、お客様からは「日本ではまだ馴染みがない商材だ」というお話を伺いました。
日本市場の認識との“ギャップ”を発見できたことは、大変興味深いフィードバックでした。その場で実際に試食していただき、直接「生の声」を聞くことができる。リアルな展示会だからこその収穫だったと感じています。

―機関として、今回の出展で得られたメリットや成果をどう捉えていますか?

寺地様:パビリオン全体として、今回の出展を通じて172万ドル相当の商取引が行われました。また、11月の展示会後も一過性で終わらず、年明けからも引き続き出展社と日本のバイヤーとの商談が複数開催されています。

展示会は、対面で日本企業と交流・商談ができる絶好の機会です。加えて、日本市場についての知識を深められる重要な手段でもあると改めて知ることができました。

FABEX関西を日本市場への戦略の「要」に。成功体験を共有し、次なるビジネス交流へつなげたい

―今後、FABEXをどのように活用していきたいですか?

Jon様:今回の出展を通じて、我々の商品が日本の来場者に受け入れられるという確かな手応えを得ることができました。この経験をもとに、FABEX関西を今後の日本市場向け戦略の要として位置づけていきたいと考えています。今後も総領事館からの招待があれば、ぜひ前向きに参加し、販路を拡大していきたいです。

寺地様:今回の商談実績や、対面交流から得られた成功体験を他のフィリピン企業にも広く共有していきたいです。そのうえで、次年度以降もFABEX関西へ継続して出展できるよう本国へ提案していく予定です。

―今後のFABEX関西への期待をお聞かせください。

寺地様:日本でのビジネス展開を真剣に考える海外企業にとって、日本のバイヤー様と直接対面で交流・商談ができる展示会は非常に価値のある場所です。

我々出先機関としても、フィリピン企業の商材の魅力を日本の皆様に知っていただくための最適なプラットフォームとして大いに期待しています。今後も日本の皆様との結びつきをより強くし、さらなるビジネス交流を促進する場としてFABEXを活用していきたいと考えています。

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